心を豊かに育む「だし」の話

大阪YMCA こども園事業部( 大阪YMCAは、4つの保育園と2つのこども園を運営しています。そこで管理栄養士をしている人たちが交代で執筆しています。)

更新:2016-08-19

近年和食はヘルシーでおいしいと世界から注目を集めています。しかし私たち日本人はどうでしょう。米の消費量は50年前の約1/2の水準にまで落ち込み、和食離れが進んでいると言われています。
日本食の基本は「だし引き」です。パック商品やだしの素でも十分おいしい「だし」はとれますが、かつお節と昆布から引いた「だし」はひと味違います。
「だし」を引く手間を面倒だとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、肉や野菜を長時間煮込む西洋のブイヨンと比べると、とても短時間で済むのが和風の「だし引き」です。
昆布を1時間ほど水に浸し、それを加熱してかつお節を加えればできあがり。お茶やコーヒーを一杯入れる手間や時間とほとんど変わりません。
質の良い昆布やかつお節は安い買い物ではありません。しかし、「だし」をとった後のだしがらも煮物やふりかけ・佃煮にして無駄なく食することで、決して高いものではなくなります。
時間に余裕のある週末などに、かつおと昆布から引いたおいしい「だし」を味わってみませんか。ゆったりとした時間の中で心が豊かに育まれていきます。

★だしの引き方

①水1リットルに昆布10gを入れ、30分~1時間入れておく。

②1を鍋に入れて火にかける。鍋肌に細かい泡がつく程度(約80℃)まで温まったら、昆布を取り除く。

③かつお節30gを入れ、すぐに火を止め、かつお節が落ち着いて少し沈むまで待つ。

④容器の上に目の細かいざるを置き、3を静かに漉す。(一番だし)

⑤ざるに残ったかつお節と昆布で二番だしをとる。だしがらを鍋に入れ水2カップを入れ強火にかけ、沸騰したら火を止める。ざるにあけ静かに濾す。

⑥すまし汁や茶碗蒸しなど薄味の料理には一番だし、煮物や味噌汁には二番だしがむいています。

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  • 大阪YMCA こども園事業部
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