子育てに役立つ鉄道スタンプラリー 重要なのは大人も楽しむこと(3) 鉄道趣味を「学び」へつなげるには?

弘田 陽介(福山市立大学大学院・教育学研究科准教授)

更新:2017-04-24

「鉄道スタンプラリー」は知っている駅と路線を新たなハンティング場へと変えてくれます。大人も乗ったり降りたりするのを厭わずに、知らない駅構内で新しいパン屋さんやカフェでも探してみてください。思わず、また降りてしまいたくなる駅が増えてしまうかもしれません。

 また最近では様々な鉄道絵本が出ており、そうした鉄道趣味を学びへと上手くつなげてくれます。

 例えば、コマヤスカン著『新幹線のたび』は、見ているだけで鉄道路線だけではなく、日本の地理や観光名所などを学べます。お父さんお母さんがいろいろ質問したり、知識の背景を伝えれば、その後、子どもたちはひとりで何度もこの絵本をめくって、知識を反芻します。そしてこういう経験が、以後の学びの基礎となります。こういった鉄道趣味から学びへのつながりは、うまく子どもと親の世界を広げてくれるのではないでしょうか。

執筆者

  • 弘田 陽介
  • 福山市立大学大学院・教育学研究科准教授
  • 大阪市出身。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了(教育学博士)。
    現在、福山市立大学大学院・教育学研究科准教授。
    専門はドイツ教育思想(18世紀後半~、カント、啓蒙主義、神秘主義)、実践的身体教育論(整体、武術、プロレスなど)、子どもと保育のメディア論(アートや鉄道趣味など)。
    著書として、『近代の擬態/擬態の近代』、『子どもはなぜでんしゃが好きなのか』の他に、鈴木晶子編『これは教育学ではない』(冬弓舎、2006)、『教育文化論』(放送大学、2005)にも寄稿。雑誌『日経Kids+』やNHK「あさイチ」毎日放送「ちちんぷいぷい」、朝日放送「キャスト」などでは独自の鉄道文化論が紹介されている。
  • ふぁみなび:学校法人 城南学園紹介ページ