習い事、いつ始める?

安田 真奈(映画監督・脚本家)

更新:2017-02-28

 昨年、ドラマのシナリオハンティングで、JR芦原橋駅前の太鼓屋さんで、太鼓教室を体験しました。大きな太鼓を力いっぱいドンドン叩くのは、気分爽快! 関西一円から、たくさんの女性が教室に通われていました。皆さんに教室の魅力をお聞きすると、「日常生活では、力いっぱいモノをたたいたり、大きな音を出したりすることはできないので、格好のストレス解消」「力がいるのでダイエット効果がある」「みんなで練習して演奏会が成功すると素晴らしい充実感」とのことでした。お孫さんと一緒に通っている方もおられるそうで、孫と習い事なんて素敵な晩年だなぁ、と羨ましくなりました。調べてみると、親&子、祖父母&孫で通える習い事って、けっこう色々あるのですね。テニス、ピアノ、ダンス、水泳、料理、茶道…。太鼓教室は、ハード過ぎず、かしこまりすぎず、ストレス発散にもなり、なかなかの「めっけもん」でした。

 さて、お子さんには、どんな習い事をさせたいですか?小さい頃は、ある程度親の誘導で習い事をスタートできます。しかし小学生は当然ながら意思が強くなるので、親のオススメにスンナリ従いません。息子は毎年懇談で「字が汚い」と指摘されるので、ずっと習字を勧めていますが、「断固拒否!」です。
もしも親御さんが、「字が汚くならないよう、お習字にゼヒいってほしい」「計算力を身につけるためにそろばんは覚えてほしい」などと考えておられるなら、「じゃ、行ってみようかな~♪」と素直に反応してくれる幼いうちに通わせちゃうのがイイかもしれませんね(笑)。
逆にある程度成長してから始める習い事は、上達の早さがメリットです。息子は水泳を小三から始めたのですが、少人数制で指導が巧みだったおかげでスッと泳げるようになり、コストパフォーマンス的にかなりオトクでした。

しかし…、せっかくはじめた習い事も、毎回ヤル気満々とはいきません。下手だから、友達がやめたから、内容が難しくなってきたから。様々なきっかけで、ヤル気はダウンします。漫然と通わせるのではなく、「〇〇ができるまでは頑張ろう」とあらかじめゴール設定をすると良いかもしれませんね。息子はすぐヤル気がダウンするので、毎週のように「サッカー休むー」「水泳休むー」と言います。いずれも週一回、試合にも出ないユルイ内容なのですが、「しんどい、面倒くさい」そうです。(実はこれに、しょっちゅう「学校休むー」も加わります)。こう言われると、私はとりあえず、「しんどいのに行っててエライな~!」と感心コメントを返します。すると息子は、「せやろ~!じゃ、行ってきま~す!」となります(笑)。
お子さんが「ほめれば頑張るタイプ」なら、感心コメントは割と効くかもしれませんよ。「なんで行きたくないの?」「行かなきゃ月謝がもったいない」と親の顔が曇ると、子どもも気が重くなりますしね。それから、「水泳の日は、息子リクエストの晩御飯メニューにする」と決めています。これはこれで、「ヤル気アップ」とまでいかなくても、「ヤル気ダウン回避」には多少役立っているようです。

 ちなみに…冒頭の太鼓教室体験は、ドラマの脚本に活かされました。ただいま、毎週火曜深夜、関西テレビ『大阪環状線~ひと駅ごとの愛物語Part2』が放映中です。毎回舞台となる駅が変わり、脚本家も変わる、一話完結形式のドラマです。私は3月7日放映「芦原橋駅編 ダダダゆうてドン」の脚本を担当し、そこに太鼓エピソードを織り込みました。

東京で離婚・失業・引きこもりを経験し、芦原橋に戻った明子は、太鼓店で働く幼なじみのまる美と再会。天真爛漫なまる美と接するうちに、人生の底を這うようなネガティブな想いが、少しずつほぐれていきます。明子役の高橋愛さんは号泣の熱演で、まる美役の馬場園梓さんも包容力あふれる素敵な演技。太鼓の音がドンドンと爽やかに響く作品になりました。よろしければご覧ください。

『大阪環状線~ひと駅ごとの愛物語 Part2』毎週火曜放送(全10話)
芦原橋駅編「ダダダゆうてドン」3/7(火)深夜0:40~1:10放送予定

http://www.ktv.jp/osakaloop2/

 

「大阪環状線~ひと駅ごとの愛物語Part2 芦原橋駅編 ダダダゆうてドン」に出演する

アジアン馬場園梓さん(左)と高橋愛さん(右)。(c)関西テレビ

執筆者

  • 安田 真奈
  • 映画監督・脚本家
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