「ママ買って」ではなく、「ママ作って」「ボク作る」のオモチャ工作

安田 真奈(映画監督・脚本家)

更新:2016-08-09

子どものオモチャって、遊べる期間が短い割に、けっこう高いですよね。しかも、吟味して買っても、すぐ飽きたり、壊したり。

そこで私は、
●つどいの広場(乳幼児の遊び場)のオモチャで遊ばせて、よほど気に入ったモノは購入
●他のオモチャは、飽きたり壊されたりするかもしれないから、安く作る
という風にしていました。

「作る」といっても、本格DIYは面倒ですし、工具を子どもの前で出すのは危険です。道具は、ハサミ、キッチンばさみ、カッター、段ボール、テープ類で済ませました。そんな簡単な工作で、主にダンボールや空き箱を使うので、基本的にチャチです。
でもだからこそ、「壊されても腹が立たない。なんなら、壊すことを遊びにされてもOK!」とおおらかに構えることができました。
さらに言えば、子どもにとっては、ママがチマチマ作ってるオモチャより、カシャカシャいう紙クズやベタベタするガムテープの切れ端の方が楽しかったりするので、その時間も含めて、親子遊びだと考えるようにしました。

そんなチープなオモチャ作りにおいて、けっこう使えるのが100均アイテムでした。

左から、カゴキッチン、太陽の塔ボール入れ、なんちゃってバスケットゴール、人形の家、怪獣リュック

【カゴキッチン】
息子に可愛いキッチンセットを購入するのはチョット高いので、100均のカゴで作りました。落としぶたをコンロ風に、ザルをシンク風に、ティースプーンを蛇口風に、結束バンドなどで取り付けます。カゴなので、ままごとのオモチャが収納できます。

【太陽の塔ボール入れ】
1~2歳の頃、つきまとって家事がしづらかったので、一人遊びできるボール入れを作りました。底が傾斜しているので、上から入れたボールが前に出ます。入れれば出てくる単純性が楽しかったようで、けっこう長く遊んでくれました。

【なんちゃってバスケットゴール】
ボール遊びは男子のお気に入り。もう少し成長してからは、100均の水切りプラスチック網に、底を切ったハート型カゴを結束バンドで固定して作りました。これも延々遊んでくれて、小学生になってからは、高いところにつるして連続シュートを楽しんでいます。

【人形の家】
3~6歳に役だちました。箱を家の形に組み、トイレ型灰皿をトイレに、石鹸ケース蓋をバスタブに。フェルトを絨毯風に敷くと、部屋っぽくなります。1階は完全に収納スペース。人形でおうち遊びができる上、「片づけなさい!」と怒鳴らず、「人形とぬいぐるみは、おうちに帰してあげてね~」と優しく声をかけられます。子どもも張り切って片づけました。

【怪獣リュック】
オモチャではありませんが、100均の椅子用ソックスを怪獣の手足に見立ててリュックに付けると喜びました。100均あなどりがたし!です。

以上のような「作る」シリーズもあれば、「徹底的にリサイクル」シリーズもあります。

左から、シェフのキッチン、なんちゃってドラムセット、なんちゃってサッカーゴール、お店屋さん一連。
ガラガラなどをつるすメリーは、基本的にねんね期専用。そこで、ねんねを過ぎてからは、箱をかぶせて【シェフのキッチン】にしたり、
缶や箱、ガラガラ、プラスチックをつけて【なんちゃってドラムセット】にしたり、
100均の園芸用ネットをかぶせて【なんちゃってサッカーゴール】にしたりと、延々使いまわしました。
また、子どもの憧れ「お店屋さん」もリサイクルを徹底。当初は、ティッシュの大箱を2つ組み合わせて、カレンダーを内装にして、立って入る【お店屋さん】でした。
成長してからは、少し丈夫に、100均ワイヤーネットを結束バンドで組合せ、陳列棚もつけました。さらに背が伸びると、バラしてつっぱり棒で高さを加え、立って呼び込むスタイルにしました。(ワイヤーネットは、床を傷つけないよう敷物必須。転倒防止に括り付けが必要。)
現在は、バラしたネットをデスク回り収納に活用しています。自分で作ると、バラしたり、作り直したりして再利用できるので、長く役立ちます。

完璧を目指さず、ゆるく、安く。ダメでもともと、遊べたらラッキー、できることならリサイクル。
そんな風に、幼い頃から、目の前でアレコレ作っていたので、小4の現在、息子は工作が大好きになりました。何でも安く売っている昨今ですが、買う前に一度、「仕組みってどうなってるんだろう?自分で作った方が楽しいかも?」と、考えてくれるようになったら嬉しいです。

※掲載事例は、アイテムの本来用途ではない使い方が多いので、安全性は保証いたしかねます。あくまでも参考ということでご了承下さい。作られる時は、鋭利な部分がないか、指をはさむ部分がないか、床を傷つけないかなど、ご注意下さい。

※安田真奈公式サイト「工作部屋」
http://manafilm.web.fc2.com/handmade.htm

 

執筆者

  • 安田 真奈
  • 映画監督・脚本家
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