母乳をやめないとむし歯になるの?

渡邊 和香(NPO法人 女性と子育て支援グループ・pokkapoka 代表)

更新:2016-07-15

1歳半健診や歯医者にかかった時など、「むし歯の原因になるのでそろそろ母乳をやめてくださいね。」と言われた経験のある方もおられるのではないでしょうか。

母乳の中に含まれる糖は乳糖といって、それだけではむし歯の原因にはなりません。
さらに授乳は、赤ちゃんのお口の中だけでなく、口の周りの筋肉もしっかり鍛えて食べるように母乳を飲むので、歯が生えても授乳を続けることは、歯並びやかみ合わせの状態がいいという報告もあります。

母乳育児は心の安定につながります。お互い納得いくまで母乳育児を続けましょう。

授乳中でもむし歯にならないように、以下のようなコツがあります。

離乳食が始まって、いろいろな食品を食べるようになり、乳糖以外の糖(つまり砂糖→ショ糖)が口の中に入ってくるようになると、母乳と混じってさらに時間がたつとむし歯になりやすくなります。

● 離乳食が始まったら、1日1回は歯の汚れを落とすように手入れしましょう。赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシや綿棒を使用してもいいですし、ガーゼを大人の指に巻いて軽く磨いてもかまいません。歯磨き粉はブクブクとうがいのできる年齢になってからにしましょう。

●  夜間の授乳や添え乳の場合は、寝る前、添え乳の前に歯の手入れをしましょう。夜間は唾液が少なくなるのでむし歯のできやすい時間帯です。お手入れ後の授乳は虫歯の原因にはなりません。

● おやつや食事の時間、口の中に食べ物は入れず唾液でむし歯を予防する時間、とメリハリをつけ、だらだら食べをしないようにしましょう。

 

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